タカラバイオ株式会社と株式会社ビー・エム・エル(以下「BML社」)とは、当社が保有する、悪性度の高い急性骨髄性白血病の主要原因であるフルトスリー(FLT3)遺伝子の変異検出法に関する特許に関するライセンス契約を締結しました。本契約により、BML社は、本特許技術を用いた検査サービスを日本において非独占的に実施することができます。本契約締結により、当社は、BML社より契約一時金及びFLT3/ITD変異検査受託の売上に応じた実施料を受領します。

 

FLT3遺伝子の重複変異(ITD変異と呼ばれる)は、急性骨髄性白血病の難治性を示す遺伝子異常マーカーで、急性骨髄性白血病患者の約1/3で検出されます。このFLT3/ITD変異が確認された症例では、治療後の経過がよくないことが報告されています。
現在、このFLT3/ITD変異を標的とした分子標的薬の開発が世界中で行われていますが、これらの分子標的薬を投薬する前に、FLT3/ITD変異の有無を検査すれば、治療効果が見込まれる患者のみに分子標的薬を投与することができ、より的確な治療が可能となると期待されています。

 

BML社は、今回のライセンス契約のもと、患者等の検体におけるFLT3/ITD変異の有無を検出する検査受託を、本年12月3日より開始します。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【株式会社ビー・エム・エルの概要】

 

所在地 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目21番地3号
代表者 福田 和太
設立時期 1955年7月5日
資本金 6,045百万円
従業員数 3,640名(連結) 1,896名(単独)(2012年3月31日現在)
事業概要 臨床検査の受託業務(内分泌、血漿蛋白、生化学、ウイルス、免疫血清、血液、細胞性免疫、細菌、病理組織 等)他
ホームページ http://www.bml.co.jp/index_j.html

 

【語句説明】

 

FLT3遺伝子変異(ITD変異)

FLT3(FMS-like tyrosine kinase 3)は主に未熟な骨髄細胞の表面に発現している受容体タンパク質で、初期造血制御において重要な役割を担っていると考えられています。急性骨髄性白血病の約1/3の症例においてFLT3遺伝子の膜近傍(JM)領域周辺にInternal Tandem Duplication(遺伝子塩基配列の一部が重複する変異:ITD変異)が発生しており、この変異を有する症例は予後不良であることが知られています。ITD変異によってFLT3分子は常に活性化された状態となり、様々なシグナル伝達系を介して細胞に増殖のシグナルを送り続けます。これによって、無制御な白血球の増殖が起こるようになると考えられています。

 

急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病は、未熟な白血球細胞が分化異常のため急速に骨髄中で増殖して蓄積することにより、正常な血液の細胞を造る骨髄の造血機能が障害され、好中球、赤血球、血小板といった血液細胞が減少する、特に成人に多く見られるタイプの白血病です。米国国立がん研究所によると、米国では、2009年に新たに約13,000人が急性骨髄性白血病と診断され、また9,000人が急性骨髄性白血病によって死亡すると予測されています。