タカラバイオ株式会社は、米国子会社のクロンテックラボラトリーズ社(Mountain View, CA, USA)が開発したゲノム編集技術向け研究用試薬である、Guide-it™シリーズを本日4月15日より順次日本で発売いたします。

 

本日発売のGuide-it™ Mutation Detection Kitは、ゲノム編集を行った細胞における標的遺伝子の改変を簡便に確認するキットです。また、5月19日には、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集に用いられるガイドRNA(sgRNA)を高効率で生成するGuide-it™ sgRNA In Vitro Transcription Kit、生成したsgRNAの有効性を確認するためのGuide-it™ sgRNA Screening Kit、そして両キットを1つにまとめたGuide-it™ Complete sgRNA Screening Systemを発売予定です。

 

当社は、昨年9月より、韓国ToolGen社との業務提携により、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集関連の受託サービスを開始しており、本製品の発売を皮切りに、試薬分野においても製品ラインナップを拡充してまいります。バイオ分野ではゲノム編集技術は急速に普及しつつあり、今後大きな成長が見込める分野です。当社は、本分野において幅広く製品・サービスを拡充し、拡大する顧客ニーズに対応してまいります。



 

【製品概要】

 

製品名 製品コード 希望小売価格
(税込)
 発売日 
Guide-it™ Mutation Detection Kit 631443 95,040円 4月15日
Guide-it™ sgRNA In Vitro Transcription Kit 631438 75,600円 5月19日
Guide-it™ Complete sgRNA Screening System 631439 129,600円 5月19日
Guide-it™ sgRNA Screening Kit 631440 84,240円 5月19日

製品の詳細やご購入については、当社営業部(TEL:077-543-7231)までお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業管理部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

ゲノム編集

ゲノム編集技術は、標的遺伝子の特定部位を核酸分解酵素で特異的に切断することにより、標的遺伝子を破壊、もしくは外来遺伝子を導入する技術です。細胞内で人工核酸分解酵素を用いて標的遺伝子のDNAを切断し、それを細胞自身が修復しようとする働きを利用して標的遺伝子を改変します。これまで遺伝子改変が困難であった、様々なモデル動物・植物・培養細胞において利用が可能なため、遺伝子疾患モデル細胞・動物の作製、農作物や家畜の品種改良などへの応用が進んでいます。さらに、iPS細胞を用いた再生医療においても、疾患遺伝子の修復を目的とした利用が期待されています。

 

人工核酸分解酵素

任意の標的DNA配列を認識し、切断するよう人為的に設計されたDNA切断酵素のことで、ゲノム編集分野では、既に広く普及しているZinc-Finger Nucleases (ZFNs) やTranscription Activator-like Effector Nucleases (TALENs)といった人工核酸分解酵素に加え、新たに開発されたCRISR/Cas9システムを利用したRNA誘導型核酸分解酵素(RGEN:RNA-Guided Endonuclease)も利用されています。

 

RNA誘導型核酸分解酵素(CRISPR/Cas9システム)

RNAとタンパク質の複合体からなる人工的に作製された核酸分解酵素です。CRISPR/Cas9システム由来のRNA誘導型核酸分解酵素は、Cas9と呼ばれるDNA切断酵素が、ガイドRNAと呼ばれる RNA分子を介してこれと相補的な塩基配列を有するゲノム配列まで誘導されることで、その位置を標的として配列特異的にゲノムDNAの切断が行われます。CRISPR/Cas9システムの利点としては、DNAを切断したい箇所が複数ある場合でも、同時に複数のガイドRNAを細胞内に導入することで、一度に切断することが可能なことです。

 

ガイドRNA

標的遺伝子と相補的な塩基配列を有する20塩基程度から成るRNA分子。CRISPR/Cas9システム由来のRNA誘導型核酸分解酵素を用いたゲノム編集技術においては、Cas9と呼ばれるDNA切断酵素が、標的遺伝子の特定部位を配列特異的に認識するのに役立ちます。

 

iPS細胞

体細胞に、数種類の遺伝子を導入することなどによって分化多能性が誘導された細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES(Embryonic Stem)細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、新薬開発、疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。