タカラバイオ株式会社とかずさDNA研究所との共同研究による成果「トランスクリプトーム解析手法の開発と受託サービスの実用化」が、日本植物細胞分子生物学会の『技術賞』を受賞しました。奈良先端技術大学院大学で行われる第30回日本植物細胞分子生物学会大会・シンポジウムにおいて授賞式と受賞講演が行われます(平成24年8月4日)。

 

日本植物細胞分子生物学会によると、『技術賞』は、実用化された、または実用化間近の顕著な研究成果に対して与えられるものとされています。同学会では技術賞のほかに、学術賞・特別賞・奨励賞・学生奨励賞・論文賞を設定しています。

 

当社は次世代シーケンサー等で生物の配列情報を取得した後、この大量の配列情報からゲノム配列や遺伝子配列を組み立てる新規の情報解析方法を構築しています(de novoアセンブル法)。この情報解析方法を用いて、シロイヌナズナのゲノム配列のデータベースをもとに、遺伝子配列が未知の植物の大量配列情報を生物学者が容易に解析できるようにするとともに、受託サービスとして実用化した成果が受賞の対象となりました。

 

現在、当社のドラゴンジェノミクスセンターでは、4機種の次世代シーケンサーを用いたシーケンス解析サービスを提供しており、さまざまな生物を対象にサービスを展開しています。今後も植物科学をはじめとした応用分野にその利用法を広め、多くの研究者に質の高い解析結果の提供を行ってまいります。

 

解析サービスの詳細、価格やご注文については、当社営業部(TEL:077-543-6116)にお問い合わせください。



 

【受賞概要】

受賞名 日本植物細胞分子生物学会 技術賞
受賞者 大場 利治 (タカラバイオ株式会社ドラゴンジェノミクスセンター)
佐藤 将一 (タカラバイオ株式会社ドラゴンジェノミクスセンター)
辻本 善政 (タカラバイオ株式会社ドラゴンジェノミクスセンター)
北川 正成 (タカラバイオ株式会社ドラゴンジェノミクスセンター)
櫻井 望 (かずさDNA研究所)
受賞対象研究 トランスクリプトーム解析手法の開発と受託サービスの実用化 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【日本植物細胞分子生物学会】

日本植物細胞分子生物学会(Japanese Society for Plant Cell and Molecular Biology)は1981年に設立され、植物組織培養、分子生物学および細胞工学の基礎研究とその応用開発研究の発展をめざして、理学、農学、薬学、工学などの多方面の分野における研究者の協力と研究情報の交流を図ることを目的として活動を行っている学会です。

 

 

【語句説明】

 

次世代シーケンサー

次世代シーケンサーとは、DNA分子の並列増幅法、検出法、情報処理能力の技術的な進歩により、従来のシーケンサーに比較して大量の種類のDNA分子の配列約100万~60億種類を一度に読み取ることができるようになったシーケンサーです。当社ではロシュ社、イルミナ社、ライフテクノロジー社の大型あるいはデスクトップ型の次世代シーケンサーを取り揃えて、利用目的に応じた使い分けを行っています。

 

トランスクリプトーム解析

トランスクリプトームとは、生物のもつすべての転写物(mRNAなど)の全体を指す呼称です。その実体は生物の細胞内にあるRNA分子です。トランスクリプトーム解析とはトランスクリプトを構成するRNA分子の塩基配列を決めることや、その量の違いを解析する遺伝子発現解析を指し、これによって遺伝子構造や遺伝子発現情報など様々な情報を得ることが出来ます。

 

de novoアセンブル法

de novoアセンブル法とは、ゲノムやトランスクリプトームの配列がわかっていない生物の配列をシーケンス情報から新規に組み立てる情報解析方法です。次世代シーケンサーから出る短い配列の場合、アセンブルが難しいケースが多いため、当社では発表されたソフトウエアのパラメーター等のチューニングを行い、最適なアセンブルを行うための検討を行っています。