タカラバイオ株式会社は、米国セルラーダイナミックス・インターナショナル社(ウィスコンシン州、以下「CDI社」)へ、当社が保有するレトロネクチン®のiPS細胞作製における商用利用を許諾するためのライセンス契約を、本日6月24日付で締結しました。本契約により、CDI社は、当社のレトロネクチン®を使用して作製したiPS細胞の販売および、レトロネクチン®を用いたiPS細胞の作製受託サービスを行うことが可能になりました。

 

レトロネクチン®は当社が開発した組換えタンパク質です。当社と米国インディアナ大学医学部が共同で開発したレトロネクチン®を用いる遺伝子導入法は、レトロウイルスベクターによる細胞への高効率遺伝子導入を可能にするため、遺伝子治療の臨床研究のスタンダードになっています。当社は、それに加えて、レトロネクチン®などの細胞接着分子を穿孔法による遺伝子導入後の細胞培養時に添加することにより、効率的にiPS細胞などの遺伝子導入細胞を作成することができることを発見しました。当社は、米国において本技術に関する特許を取得しており、今回のライセンス契約においてもCDI社に本特許の使用を許諾しています。

 

CDI社は、ヒト幹細胞研究分野で著名な米国ウィスコンシン大学のJames Thomson 博士らによって設立された企業です。今後、レトロネクチン®を用いて、iPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞の製造販売、疾患特異的iPS細胞作製受託等のビジネスを展開していきます。

 

今回のライセンス契約締結により、当社はCDI社より契約一時金を受領します。当社連結及び単体の平成26年3月期業績に与える影響は軽微ですが、当社は、当社の保有技術やノウハウのiPS細胞分野への展開をさらに進めていきます。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【CDI社概要】

 

会社名 Cellular Dynamics International, Inc.
所在地 525 Science Drive, Madison, WI 53711
設立年 2004年
代表者 Robert J. Palay, CEO
事業内容 幹細胞関連技術の研究開発等

 

 

 

【語句説明】

 

iPS細胞

体細胞に、数種類の遺伝子を導入し誘導される分化多能性を獲得した細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES(Embryonic Stem)細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。

 

レトロネクチン®

レトロネクチン®は、当社が開発したヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。レトロネクチン®を用いたレトロウイルスベクターによる遺伝子導入法は、レトロネクチン法として知られており、レトロウイルスベクターによる遺伝子治療の臨床研究のスタンダードとなっています。さらに、当社はレトロネクチン®の新たな機能として、リンパ球の増殖を増強する効果を発見し、レトロネクチン®を用いたがん免疫細胞療法の臨床応用を進めています。