タカラバイオ株式会社は、静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府薬学研究院・山田静雄教授ならびに医療社団法人灯弘会かげやま医院・影山慎二院長との共同研究で、屋久島原産ボタンボウフウ由来のイソサミジンエキスが排尿障害改善作用を持つことをヒト試験と動物実験において明らかにしました。この研究成果を、本年9月18日より静岡で開催される第20回日本排尿機能学会にて発表します。

 

当社はこれまでにボタンボウフウの機能性について研究を進め、屋久島原産のボタンボウフウにのみ含まれる特徴的な成分であるイソサミジンが、過剰に収縮した膀胱の平滑筋を弛緩させることを、動物組織を用いた実験で明らかにしています。今回、ボタンボウフウの排尿障害に対する効果をさらに詳しく調べるためにヒト試験と動物実験を行いました。

 

ヒト試験においては、過活動膀胱と診断された45歳から83歳までの女性で、過活動膀胱治療薬を服用していない初診の患者(10名)を対象に、イソサミジンエキスを1日35 mg、1ヵ月間摂取していただき、摂取前後で排尿の自覚症状に関するアンケート調査と排尿パラメーターの測定を行いました。その結果、排尿の自覚症状を数値化したスコアが10名中8名で改善し、特に「尿意切迫感」と「夜間頻尿」の項目において、顕著な自覚症状の改善が認められました。さらに、摂取前後の排尿量及び排尿直後の残尿量を測定した結果、イソサミジンエキス摂取により1回の排尿量の増加と、残尿量の減少が確認され、自覚症状の改善が客観的な数値として明らかとなりました(図)。

 

また、ラットを用いた動物実験においては、イソサミジンエキスの投与により顕著な頻尿改善作用が認められ、排尿障害改善のために利用されているペポカボチャ種子エキスとイソサミジンエキスを同時に摂取させることにより、さらにその効果が増強されることが明らかになりました。

 

今回の結果とこれまでの研究結果から、イソサミジンエキスは膀胱の過剰な収縮を緩和することにより排尿障害を改善できることが示されました。

 

当社では、今後さらにボタンボウフウ由来イソサミジンの機能性について研究を進めてまいります。

図   過活動膀胱患者に対するイソサミジンエキスの効果

平均±標準偏差, *: p<0.05, paired-t-test (摂取前との比較)

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

日本排尿機能学会

昭和48年に神経因性膀胱研究会として発足し、排尿機能に関する研究の発展を促進し、会員相互の自由な意見、情報の交換、その他関連のある国内・国外学会との幅広い交流を図ることを目的として活動している学会です。

 

ボタンボウフウ

ボタンボウフウ(牡丹防風)は、日本では本州以西から沖縄までの海岸沿いに生育するセリ科の食用植物です。

 

イソサミジン

屋久島原産のボタンボウフウに特徴的かつ豊富に含まれる低分子化合物です。

 

過活動膀胱

尿意切迫感を訴え、通常は頻尿や夜間頻尿を伴う病気です。男女ともに発症し、加齢とともに患者数が増加します。わが国では約800万人の患者がいると報告されています。

 

ペポカボチャ種子エキス

ペポカボチャは西洋カボチャともいわれる小型のカボチャであり、種子に殻がないことが特徴です。ペポカボチャ種子の油性のエキスは脂肪酸などを多く含み、ヨーロッパでは排尿障害(頻尿など)の改善に用いられています。