タカラバイオ株式会社と、エキシコン社(デンマーク ヴェドベック市)は、エキシコン社の遺伝子の制御を調べるためのマイクロRNA関連試薬全製品に関する販売契約を締結しました。当社は、日本・中国・韓国・インドにおいて、当該試薬の販売を2013年1月7日より開始します。またこの販売に先立ち、エキシコン社の研究用試薬を利用した研究受託サービスを2012年12月10日より日本国内にて開始する予定です。

 

マイクロRNAは、遺伝子発現を制御する効果を持つ18~26塩基程度の一本鎖RNAで、細胞の分化、増殖およびアポトーシスなど、生物にとって欠かすことのできない生命現象において重要な役割を担っていると考えられています。マイクロRNAを対象とした研究は、iPS細胞等の幹細胞研究、がん研究、分化・発生学及び神経科学の分野で広く実施されており、近年注目されている研究分野の一つです。
マイクロRNAの解析には、対象となるマイクロRNAを、特異的かつ安定して正確に検出することが要求されます。マイクロRNAの検出には、DNAマイクロアレイやリアルタイムPCR法という手法を用いますが、いずれの手法においても、マイクロRNAの配列を特異的に認識して結合する配列(相補鎖)を持った核酸を必要とします。

今回販売するエキシコン社の試薬には、人工核酸の一種であるLNA™と呼ばれる技術が利用されています。LNA™は一般的に用いられている核酸であるDNAやRNAに比べて、マイクロRNAとより強固な結合を形成する性質があるため、対象となるマイクロRNAを正確かつ特異的に検出することが可能です。

エキシコン社の試薬製品は、DNAマイクロアレイ及びリアルタイムPCR法によりマイクロRNAを検出するものであり、主な製品としては、ヒト 1,921種、マウス 1,157種、ラット 680種及び種々のウイルスの既知マイクロRNA検出プローブを搭載した DNAマイクロアレイやヒト血清/血漿中に一般に存在するマイクロRNAを含む168種のプライマーセットなどがあります。

 

また、日本国内では、エキシコン社試薬を用いたマイクロRNA解析受託メニューを当社の遺伝子解析受託サービス(DNAマイクロアレイ解析受託、リアルタイムPCR解析受託など)に加えることで、試薬の販売と合わせて、幅広い研究支援サービスを提供してまいります。

今回の遺伝子解析研究用の製品ラインアップおよび受託メニューの拡充により、発売から3年後に年間3億円の売上を目指します。

<参考資料>

 

【エキシコン社の概要】
 

会社名 Exiqon A/S
設立 1995年
代表者 Lars Kongsbak, President & CEO
住所 Skelstedet 16, 2950, Vedbaek, Denmark
事業内容 マイクロRNA解析のためのマイクロアレイ、リアルタイムPCR試薬等の開発・製造・販売、および各種核酸合成を含む関連サービスの提供。
ホームページ http://www.exiqon.com/

【エキシコン社製品例】

製品・サービスの詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

【語句説明】

 

マイクロRNA

18から26塩基程度の低分子の1本鎖RNAで、タンパク質をコードしていない機能性ノンコーディングRNAです。特定の遺伝子のmRNAに対する相補的配列を有し、その遺伝子の発現を抑制することが知られ、基本的な代謝から個体発生や細胞分化までの実に様々な生命現象に関与すると考えられています。

 

アポトーシス

アポトーシスとは、個体の生命維持のために不要或いは危険な細胞を自ら死に至らしめる遺伝子に支配された制御機構です。細胞の発生・分化・生理的現象(特に免疫)に深く関わっており、今日では癌細胞の発生過程、放射線や熱といった物理的要因や薬剤などの化学的要因による癌細胞の増殖抑制・消失過程、および分化誘導過程にも重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあり、制癌の観点からもアポトーシスは非常に注目されています。

 

幹細胞

幹細胞とは、種々の細胞へ分化する能力(多分化能)と自己複製能を有する未分化な細胞を指す言葉として用いられています。例えば、再生医療への応用が期待されているヒト初期胚より樹立されたES(Embryonic Stem:胚性幹)細胞やヒト体細胞をリプログラミングして得られた人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)も含まれます。

 

LNA™

Locked Nucleic Acid(LNA™)とは、リボ核酸の2′位酸素原子と4′位の炭素原子がメチレンを介して架橋した2つの環状構造を持つ人工核酸です。架橋により化学構造上の”形の自由度”が拘束されることで天然核酸に比べて、標的となるDNAやRNAとの結合親和性(ハイブリダイズ能)とヌクレアーゼ(核酸分解酵素)耐性を向上させ、生体毒性を低下させることが可能となります。

 

マイクロアレイ

DNAチップとも呼ばれる、多数のDNA断片がスライドガラス等の基板上に高密度に配置されたチップを用いることによって、数万種類といった遺伝子の発現量を一度に調べることができる技術です。

 

リアルタイムPCR

従来のPCR法は、サーマルサイクラーという機器で目的DNAを増幅した後、増幅産物を電気泳動で解析するという手順で行われています。リアルタイムPCR法では、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化した機器を用いて、PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析を行います。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量ができます。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。
増幅する対象がDNAの場合はリアルタイムPCR、RNAの場合はリアルタイムRT-PCRといいます。