タカラバイオ株式会社は、再生医療・細胞医療製品の安全性を検査するためのリアルタイムPCR法によるウイルス試験受託サービスを、当社遺伝子・細胞プロセッシングセンターにて、本年10月1日より開始いたします。また、本受託サービスで利用するウイルス検出試薬も発売いたします。

 

再生医療や細胞医療では、生体材料を原材料とするため、中間製品や最終製品にウイルスが混入している可能性があります。製品の安全性を確保するため、厚生労働省は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、パルボウイルスB19型(ParvoB19)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、ウエストナイルウイルス(WNV)のウイルスの否定試験を必要に応じて実施するという指針を発表しています。これまで、ウイルス試験として培養細胞を用いた試験等がなされていますが、多くのウイルスを同時に高感度に検査することは困難でした。

本受託サービスは、厚生労働省の指針に収載されたウイルスをリアルタイムPCR法(定量法)により検出できるようバリデーションされた試薬を用いており、高品質で高感度な試験結果を迅速に提供することができます。本試薬は、東京医科歯科大学難治疾患研究所 清水則夫准教授が独立行政法人科学技術振興機構(JST)再生医療実現拠点ネットワークプログラムの支援の下で得た研究成果に基づくものであり、当社と同大学との共同研究によって開発されました。

 

本ウイルス試験に加え、従来より提供している無菌試験、マイコプラズマ試験、エンドトキシン試験などと合わせ、再生・細胞医療製品の安全性試験をトータルサポートいたします。当社は、幹細胞を用いた基礎研究や再生・細胞医療等の分野に向けた新製品・新サービスの開発に注力し、本分野での売上拡大を目指します。

 

【本受託サービス概要】

 

サービス名 検査対象 参考価格
(税別)
ウイルス試験 HIV-1、HIV-2、HTLV、HCV、HBV、ParvoB19 39,000円/検体
HIV-1、HIV-2、HTLV、HCV、HBV、ParvoB19、EBV、CMV、WNV 45,000円/検体

 

 

【本試薬概要】

 

製品名 容量 製品コード 希望小売価格
(税別)
Virus Test Kit(HIV, HTLV, HCV, HBV, ParvoB19) 12テスト RR271A 120,000円
Virus Test Kit(EBV, CMV, WNV) 12テスト RR272A 70,000円

 

受託サービス及び本試薬の詳細については、当社営業部(TEL:077-543-6116)までお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業管理部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

リアルタイムPCR法

PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析を行う方法です。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量ができます。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。

 

再生医療・細胞医療製品

再生医療とは、ヒトの細胞・組織を取得・加工して移植することで、損傷を受けた生体機能を回復させる医療のことです。細胞医療とは、細胞を体外で活性化・培養等の処理を行った後に体内に投与することで、がんなどの治療する医療のことです。これらの医療で移植・投与される細胞や組織等を再生医療・細胞医療製品といいます。

 

ウイルス試験

医薬品等の安全性を確保するため、混入の可能性があるウイルスを対象に実施される試験です。特に、再生医療・細胞医療製品は、ヒトの細胞・組織といった生体材料を用いるため、ヒトに感染しているウイルスが混入している可能性があります。厚生労働省は、製品等に対してウイルス試験を必要に応じて実施する指針を発表しています。

 

遺伝子・細胞プロセッシングセンター

当社が滋賀県草津市に建設した施設です。当社の臨床研究プロジェクト用のベクター製造に加えて、バイオ医薬品のGMP製造受託や研究開発のパートナーとして受託業務を行うCDMO事業の中核拠点として活用いたします。

 

厚生労働省の指針

厚生労働省がヒト由来の細胞・組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性を確保するための基本的な技術要件について、平成24年9月7日に通知した「ヒト(自己・同種)体性幹細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」「ヒト(自己・同種)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」「ヒトES細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について」の指針のことです。

 

バリデーション

対象とするウイルスを定められた規格にて検出できることが検証されており、その品質に適合する製品を恒常的に製造できるようにするために、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書化していることをいいます。

 

無菌試験

検体等に微生物が存在しないことを調べる試験です。当社は、日本薬局方に準拠した試験やバクテアラート3D 60という検出装置を利用した迅速な試験による受託が可能です。

 

マイコプラズマ試験

マイコプラズマは細菌の一種で、マイコプラズマ肺炎という呼吸器疾患を引き起こします。培養細胞にマイコプラズマが汚染すると、各種のサイトカインの誘導など細胞へ悪影響があり、また、医薬品に混入すると強い抗原性を呈する可能性があるため、細胞を用いて製造される医薬品にはマイコプラズマが存在しないことを調べるマイコプラズマ試験が実施されています。当社は、日本薬局方に準拠した試験による受託が可能です。

 

エンドトキシン試験

エンドトキシンはグラム陰性菌の菌体成分で、強力な毒素であり、極めて微量でも発熱を引き起こすことから、医薬品にエンドトキシンが混入していないことを調べるエンドトキシン試験が実施されています。当社は、日本薬局方に準拠した試験やチャールス・リバー社製のEndSafe-PTSを用いた試験による受託が可能です。