タカラバイオ株式会社は、がん関連遺伝子などで起こりやすい遺伝子変異を次世代シーケンサーにより迅速に調べる、遺伝子変異解析サービスを開始します。

 

当社のドラゴンジェノミクスセンター(三重県四日市市)では、各種次世代シーケンサーを用いた塩基配列解析サービスを提供しており、ヒトゲノムをはじめとするさまざまな生物を対象にゲノム解析の受託サービスを展開しています。

 

今回、これまでの大型シーケンサーよりも短時間で配列データが取得可能な2機種の次世代シーケンサー(Ion PGMシステムおよびMiSeqシステム)を追加導入し、試料によっては1~2日という短時間で、1ギガベース(10億塩基)を超える配列データを取得することが可能となりました。これらの装置とPCRによるサンプル調製法などを組み合わせることにより、がん関連遺伝子など特定領域の遺伝子変異を短期間で解析することが可能です。

 

遺伝子変異解析サービスの費用は、対象とする解析領域など条件により価格が変動しますが、例えば、(市販の試薬を利用した)がん関連遺伝子46種類を対象とした変異解析サービスでは、8検体単位で64万円(税別)、納期はサンプルの前処理等を含めて約3週間です。当該解析サービスで年間約5,000万円の売上を目指します。
サービスの詳しい内容は、2012年9月19日より開催される第71回日本癌学会学術総会において、当社が主催するランチョンセミナー(9月20日)にてご紹介します。

 

当社は、PCR酵素を用いた各種研究用試薬の開発で培ってきた技術やノウハウを生かし、次世代シーケンサー関連試薬や受託サービスの開発に注力しています。今後も、がんや遺伝子疾患の研究、ES細胞/iPS細胞等の幹細胞の研究向けの製品、サービスの充実に努め、最適なソリューションの提供を行ってまいります。

 

解析サービスの詳細、価格やご注文については、当社営業部(TEL:077-543-6116)にお問い合わせください。 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

次世代シーケンサー

従来のサンガー法を基にしたシーケンサーとは異なる原理に基づいた塩基配列解析装置であり、数百万から数億個の塩基配列データを並列に大量取得することができます。次世代シーケンサーとしては、イルミナ社のHiSeqシステムやMiSeqシステム、ロシュ社のGS FLX、ライフテクノロジーズ社のIon PGMなどが発売されています。当社は、各社次世代シーケンサーを取りそろえ、高速シーケンス解析の受託サービスを提供しています。

 

変異解析

同じ生物でも塩基配列は全て同じということはなく、個体間でも配列に違い(変異)があることが知られています。ゲノム上の塩基配列の違いは、さまざまな生命現象に影響を与え、例えば変異によっては、薬剤の効果や疾病の発症リスクが異なることが知られています。ゲノムシーケンス解析で得られた塩基配列を比較することで、個体間にどのような変異があるかを調べることができます。

 

がん関連遺伝子

がん発生のメカニズムの解明が進み、発癌、増殖、浸潤、転移などにはそれぞれ様々な遺伝子がかかわっています。これら遺伝子領域に存在する変異の種類を調べることによって、がんの発症や悪性度などの影響を評価できることがわかってきています。

 

PCR

Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応法)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。

 

ES細胞

ES(Embryonic Stem:胚性幹)細胞は、初期胚より樹立され、分化多能性を維持したまま半永久的に増殖させることができると言われています。これまで多くの再生医療関連の基礎研究がES細胞を用いて行われています。また、幹細胞の研究を進める上では、iPS細胞とES細胞との比較研究も重要と考えられています。

 

iPS細胞

体細胞に、数種類の遺伝子を導入することなどによって分化多能性が誘導された細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES(Embryonic Stem)細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。