タカラバイオ株式会社と五稜化学株式会社とは、五稜化学社製のバイオイメージング研究用蛍光色素製品の販売及び本蛍光色素により核酸やタンパク質等の生体分子を標識する研究受託サービスの提供を、日本国内において当社が独占的に行うことに合意し、販売契約を締結しました。当社は、本製品の販売及び研究受託サービスの提供を本日より開始します。また当社は、海外においても、本製品の販売及び研究受託サービスを非独占的に提供します。

 

ライフサイエンス分野において、疾病原因や生命現象の解明又は創薬研究のため、細胞あるいは個体レベルでのタンパク質等の生体分子の分布や局在を調べ、細胞の状態を解析する研究が広がりを見せています。近年、このような研究分野向けのバイオイメージングツールの技術開発が進んでおり、様々な蛍光物質が広く利用されています。

 

五稜化学社の蛍光色素製品や本製品を利用した受託サービスは、以下のとおりです。

 

1.POLARIC™シリーズ
鈴木-宮浦クロスカップリング反応を用いて合成された蛍光色素で、極性(親水性・疎水性など)の変化に応じて色調が変化します。そのため、1種類の蛍光色素により細胞膜とミトコンドリアを異なる色で染め分けることが可能で、細胞内保持性が高く、毒性が低いという特徴を有します。細胞の構造を解明する研究や、再生医療分野において生きたままの細胞や組織を長時間観察する研究等に利用可能です。

 

2.AcidiFluor™シリーズ
pHが酸性になると蛍光強度が増大するpHプローブです。pHの違いによる蛍光強度の変化が大きく、輝度が明るく、蛍光がオレンジ色なので一般的に用いられている緑色蛍光色素と一緒に使うことができるという特長があります。細胞内のpH分布に依存する細胞機能や構造を解析する研究や細胞を用いた創薬スクリーニング等に利用可能です。

 

3.CaSiR-1™シリーズ
カルシウム濃度が高くなると蛍光強度が増大するカルシウムプローブです。カルシウム濃度の違いによる蛍光強度の変化が大きく、輝度が明るく、蛍光が近赤外領域なので細胞や組織へのダメージが小さい、という特長があります。細胞内のカルシウム濃度に依存した生理現象が生じる神経伝達や筋肉収縮などの研究や細胞を用いた創薬スクリーニング等に利用可能です。近日中に発売予定です。

 

4.受託サービス
核酸、タンパク質、抗体等へPOLARIC™やその他汎用の蛍光色素を最適な条件で標識するサービスを提供してまいります。五稜化学社が有する有機化学合成技術及び蛍光色素専業メーカーとしてのノウハウにより、核酸、タンパク質、抗体等の機能を維持したまま、明るさを最大化した蛍光標識物質の提供が可能です。この蛍光標識物質を使用して細胞内や個体内での生体分子の分布や局在を解析することができます。

 

当社は、今後市場の広がりが期待できるバイオイメージング分野に向けて本製品を販売することにより製品ラインナップの充実を図り、本製品及び受託サービスで、発売から3年後に年間1億円の売上を目指します。

 

 

【製品概要】

 

製品名 製品コード 容量 希望小売価格(税込)
POLARIC™-500c6F GC101 1μgX10本 51,450円
POLARIC™-500BCS GC102 5μgX10本 60,900円
AcidiFluor™ Orange GC301 10μgX20本 71,400円
蛍光標識受託サービス     個別にお問い合わせください。

POLARIC™の色調変化


 

製品・サービスの詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【五稜化学社の概要】

 

会社名 五稜化学株式会社
設立 2010年
代表者 丸山健一 代表取締役
住所 北海道札幌市北区北21条西12丁目2北大ビジネス・スプリング2階
事業概要
 
 

 
 
機能性色素の販売
機能性色素の受託合成
機能性色素を用いた診断薬開発
ホームページ http://goryochemical.com/

 

 

【語句説明】

 

バイオイメージング

細胞、組織、個体中で目的の生体分子を蛍光色素や蛍光タンパク質を用いて可視化することにより、その機能や動態を画像化して捉え、解析する技術のこと。細胞の構造、機能解析の研究や創薬スクリーニングなど医薬品開発において有用な手法として用いられる。

 

蛍光色素

光を吸収して発光する色素。バイオ分野の研究において、タンパク質、DNAなど生体分子を高感度に可視化するのに汎用的に用いられている。

 

鈴木-宮浦クロスカップリング反応

パラジウムを触媒として炭素原子と炭素原子を結合させるカップリング反応で、ベンゼン-ベンゼンからなるビアリールを合成する反応である。原料となるボロン酸誘導体が安定で取り扱いやすく、反応条件が比較的温和であることから、医薬品や機能性材など幅広い化合物の合成に利用されている。この合成方法の開発により、2010年に北海道大学鈴木章名誉教授らにノーベル化学賞が授与された。

 

pHプローブ

pHの違いに応じて蛍光強度が変化する蛍光色素。細胞内のpH変化をとらえることが可能で、細胞の機能や構造の解析等に用いられる。

 

カルシウムプローブ

カルシウム濃度の違いに応じて蛍光強度が変化する蛍光色素。カルシウムは生体内において神経の伝達や筋肉の収縮などを制御にかかわっていることから、カルシウムプローブは神経や筋肉のメカニズムを調べる研究や医薬品の開発等に用いられる。