タカラバイオ株式会社と株式会社LSIメディエンス(以下「LSIM社」)とは、当社が保有する、悪性度の高い急性骨髄性白血病の主要原因であるFLT3遺伝子の変異検出法に関する特許のライセンス契約を締結しました。本契約により、LSIM社は、本特許技術を用いた検査サービスを日本において非独占的に実施し、当社は、LSIM社よりライセンス料を受領します。これにより、FLT3遺伝子の変異検出法に関する特許のライセンス先は、国内および海外で5社となりました。
 
FLT3遺伝子の重複変異(ITD変異と呼ばれる)は、急性骨髄性白血病の難治性を示す遺伝子異常マーカーで、急性骨髄性白血病患者の約1/3で検出されます。このITD変異が確認された症例では、治療後の経過がよくないことが報告されています。
現在、FLT3遺伝子のITD変異を標的とした分子標的薬の開発が世界中で行われていますが、これらの分子標的薬を投薬する前に、ITD変異の有無を検査すれば、治療効果が見込まれる患者のみに分子標的薬を投与することができ、より的確な治療が可能となると期待されています。
 
LSIM社は、今回のライセンス契約のもと、患者等の検体におけるFLT3遺伝子のITD変異を検出する検査受託を行います。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業管理部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【株式会社LSIメディエンス概要】

 

本社所在地 東京都千代田区内神田一丁目13番4号 THE KAITEKI ビル
代表者 伊藤 昭夫
設立 1975年4月15日
資本金 30億円
従業員数 3,415名(2016年3月末)
事業概要 臨床検査(生化学的検査、血液学的検査、免疫学的検査、微生物学的検査、遺伝子関連検査、病理学的検査、その他検査)、バイオマーカー測定と解析(タンパク質、遺伝子)他
ホームページ http://www.medience.co.jp

 

【語句説明】

 

FLT3遺伝子変異(ITD変異)

FLT3(FMS-like tyrosine kinase 3)は主に未熟な骨髄細胞の表面に発現している受容体タンパク質で、初期造血制御において重要な役割を担っていると考えられています。急性骨髄性白血病の約1/3の症例においてFLT3遺伝子の膜近傍(JM)領域周辺にInternal Tandem Duplication(遺伝子塩基配列の一部が重複する変異:ITD変異)が発生しており、この変異を有する症例は予後不良であることが知られています。ITD変異によってFLT3分子は常に活性化された状態となり、様々なシグナル伝達系を介して細胞に増殖のシグナルを送り続けます。これによって、無制御な白血球の増殖が起こるようになると考えられています。
 

急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病は、未熟な白血球細胞が分化異常のため急速に骨髄中で増殖して蓄積することにより、正常な血液の細胞を造る骨髄の造血機能が障害され、好中球、赤血球、血小板といった血液細胞が減少する、特に成人に多く見られるタイプの白血病です。