タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と、米国ニュージェン社(NuGEN Technologies Inc.、サンカルロス市)は、微量核酸増幅用試薬を含む、ニュージェン社の核酸サンプル調製用試薬全製品に関する非独占販売契約を締結しました。当社は、日本・中国・韓国において、当該試薬の販売を2010年6月21日より開始します。

 

遺伝子解析の研究分野では、高速シーケンシング、リアルタイムPCR、マイクロアレイ(DNAチップ)などの解析技術が急速に普及しており、様々な疾患や生命現象の解明等に利用されています。
これらの解析には一定量の核酸(DNAやRNA)を必要としますが、核酸の量が不足する場合には、あらかじめ解析サンプル(細胞・組織など)に含まれる核酸の増幅を行います。この増幅を行う際、遺伝子発現量の解析といった定量性が求められる研究では、各核酸の相対的な量の比を保持したまま増幅させることが重要となります。しかしながら、解析サンプルが極微量(50ナノグラム以下)しかない場合、PCR法などの従来の核酸増幅法では、相対的な量の比を保持した増幅を行うことが難しく、研究を行う上での問題となっていました。

 

今回販売する試薬には、SPIA(Single Primer Isothermal Amplification)法と呼ばれる核酸増幅技術が利用されています。SPIA法は、極微量の解析サンプルからでも、相対的な量の比を保持したまま核酸を増幅させることができる微量核酸増幅法です。当社の遺伝子解析用試薬のラインアップにニュージェン社の試薬が加わることで、iPS細胞研究やがんなどを対象とした医学研究のような、極微量のサンプルを解析対象とした顧客のニーズに応えることが可能となります。

また、当社の遺伝子解析受託サービス(高速シーケンシング受託、リアルタイムPCR解析受託、マイクロアレイ解析受託など)においても、ニュージェン社試薬を用いた微量サンプル対応メニューの提供を併せて開始します。

 

今回の遺伝子解析研究用の製品ラインアップおよび受託メニューの拡充により、遺伝子・細胞機能の解析研究分野における売上増を目指します。

ニュージェン社製品例

製品・サービスの詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

【ニュージェン社の概要】

会社名

NuGEN Technologies Inc.

設立

2000年

代表者

Elizabeth A. Hutt, CEO

住所

201 Industrial Road, Suite 310
San Carlos, CA 94070 U.S.A.

事業概要

ニュージェン社は、革新的なRNA・DNAのサンプル調製技術を提供しています。当社の迅速、簡便な研究用試薬は、あらゆるアプリケーションに適用できる、様々な材料由来の遺伝子サンプルの調製を可能としています。

【語句説明】

高速シーケンシング
高速シーケンサー(次世代シーケンサー)と呼ばれる、数百万から数億個の塩基配列データを並列に大量取得することができる装置を用いた塩基配列解析です。当社では、ロシュ社のGS FLX、イルミナ社のGAIIx、ライフテクノロジーズ社のSOLiD3Plusの3種類の高速シーケンサーを導入して、受託解析サービスを提供しています。

 

リアルタイムPCR法
従来のPCR法は、サーマルサイクラーという機器で目的DNAを増幅した後、増幅産物を電気泳動で解析するという手順で行われています。リアルタイムPCR法では、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化した機器を用いて、PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析できます。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量が可能となります。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。

 

PCR
Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略称です。温度サイクル装置(サーマルサイクラー)を使用し、微量のDNAを数時間のうちに数百万倍にまで増幅する技術です。

 

マイクロアレイ
DNAチップとも呼ばれる、多数のDNA断片がスライドガラス等の基板上に高密度に配置されたチップを用いることによって、数万種類といった遺伝子の発現量を一度に調べることができる技術です。


SPIA(Single Primer Isothermal Amplification)法
SPIA法は、DNA/RNAキメラプライマー、DNAポリメラーゼ、RNaseHを利用した等温反応によるリニアDNA増幅法です。増幅前のサンプルに含まれる各DNAやRNAの相対的な量の比を保持したまま、増幅を行うことができます。

 

iPS細胞
体細胞に、再プログラム化に必要な数種類の遺伝子を導入し誘導される分化多能性を獲得した細胞のことです。2006年に京都大学山中伸弥教授らのグループにより、この現象が発見され人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells:iPS細胞)と名付けられました。iPS細胞は、ES(Embryonic Stem)細胞とほぼ同等の分化多能性を示すことから、薬剤開発、種々の疾患の病態解明や再生医療への応用が期待されています。