タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)は、株式会社エムズサイエンス(代表取締役:三田四郎)との間で、当社がエムズサイエンス社から抗がん剤「腫瘍溶解性ウイルスHF10」に関する事業を買収することに関する契約に調印したことを本年10月22日付で発表いたしました。この度、当社が当該事業に関する資産を承継するにあたって必要となる全ての手続きが完了し、本日11月30日付で事業譲渡が実行されましたのでお知らせいたします。

 

HF10については、頭頸部がんを対象とした第I相臨床試験がすでに米国において開始されています。当社は、当該臨床試験を引き続き推進し、2018年度の商業化を目指してHF10の開発を行っていきます。

 

なお、HF10事業買収の平成23年3月期業績への影響は通期業績予想(本年11月4日発表)に織り込まれており、今回の事業買収完了による通期業績予想の変更はありません。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

【エムズサイエンス社の概要】

会社名

株式会社エムズサイエンス

設立

2000年

代表取締役

三田 四郎

資本金

10百万円

住所

神戸市中央区港島南町5丁目5番2号
神戸国際ビジネスセンタービル

事業概要

医薬品の研究開発

ホームページ

http://www.m-sci.com/

【語句説明】

腫瘍溶解性ウイルス
腫瘍溶解性ウイルスとは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖するウイルス(制限増殖型ウイルス)です。増殖によって直接的にがん細胞を破壊し、さらにその際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染すること、また、がんに対する宿主の免疫を活性化することで、がん全体を縮小することが期待されます。

 

HF10
HF10は、単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株であり、がん細胞に感染すると細胞内で増殖し、がん細胞を死滅させる作用を有することが動物実験などにおいて示されています。HF10については、現在米国において、頭頸部がんを対象とした第I相臨床試験が実施されています。また、名古屋大学医学部附属病院において、乳がん、頭頸部がんおよび膵臓がんの患者を対象としたHF10の臨床研究が実施されており、その安全性と有効性を示唆する結果が報告されています。

 

単純ヘルペスウイルス1型
単純ヘルペスウイルス1型は、唇にできる口唇ヘルペス(口内炎)や、眼の角膜にできるびらん(単純ヘルペス角膜炎)などの原因となります。感染しても、多くの場合は症状をあらわすことなく体内に潜んでいますが、ストレス・過労・病気などの要因で体力が低下すると症状をあらわします。アシクロビルをはじめとした抗ウイルス剤が有効です。