タカラバイオ株式会社は、レジオネラ属菌の生菌を、リアルタイムPCR法を用いて迅速に検出するための研究用試薬を本年4月19日より発売します。本製品は、液体培養、化学物質EMA処理及びリアルタイムPCR法を組み合わせたレジオネラ属菌の生菌を検出するための研究用試薬です。

 

レジオネラ属菌は肺炎の原因菌となり、土壌や淡水に生息し、冷却塔水、循環式浴槽水、給湯水、温泉など環境水を広く汚染します。日本では入浴施設において、毎年多くの感染例が報告されています。

 

浴槽水等からレジオネラ属菌を検出するには、寒天培地で細菌を培養して増殖し、検出する手法(平板培養検査法)が従来より実施されていますが、約1週間の培養日数が必要でした。また、迅速検査法としてPCR法を用いた試薬が販売されていますが、生菌と死菌を識別できないことが大きな課題となっていました。本製品では、浴槽水等の濃縮試料を18時間培養後、化学物質EMA(Ethidium monoazide)で処理することにより、培養を含めて約2日間で、生菌由来DNAのみを選択的に検出することができます。

 

平成25年3月発行の、平成24年度厚生労働科学研究費補助金健康安全・危機管理対策総合研究事業「公衆浴場等におけるレジオネラ属菌対策を含めた総合的衛生管理手法に関する研究」において、浴槽水等の実検体を用いて評価した結果、本試薬は平板培養検査法との相関が高く、浴槽水等におけるレジオネラ生菌検出法として活用が期待されるという評価が得られています。

 

当社は、PCR・リアルタイムPCR法の応用分野(アプライドフィールド)として、食品分析、環境分析、分子診断等向けの新製品開発に注力しており、本製品を含めた関連製品を検査機関や食品メーカー向けに販売しています。この度の新製品の発売や今後の新製品開発により、当社はこの分野での更なるシェア拡大を目指します。

 

【製品概要】

 

製品名 容量 製品コード 希望小売価格
(消費税込)
Legionella LC Medium Base 90 ml 9016 15,750円
Lysis Buffer for Legionella 50回 9181 10,500円
Viable Legionella Selection Kit for LC EMA-qPCR 50回 7730 31,500円
25回 7730S 16,800円
Cycleave®PCR Legionella(16S rRNA)Detection Kit 50回 CY240 54,600円
25回 CY240S 29,400円

製品の詳細やご注文については、当社営業部(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

レジオネラ属菌

レジオネラ属菌は肺炎の原因菌となり、これによる感染症をレジオネラ症と呼びます。このうち8割以上がレジオネラニューモフィラ血清群1によるものとされています。好気性のグラム陰性桿菌で、土壌や淡水に生息し、冷却塔水、循環式浴槽水、給湯水、温泉など環境水を広く汚染します。レジオネラ症は、レジオネラ属菌の感染により起こる疾患で、感染経路は汚染水のエアロゾルの吸入・汚染水の誤嚥など環境水を介することが知られています。

 

EMA (ethidium monoazie)

光反応性核酸架橋剤であり、350nm~700nmの波長の光照射によりDNA又はRNAに共有結合して分子間を架橋する薬剤です。本試薬により修飾を受けたDNAはPCR反応阻害が起こります。

 

EMA-PCR法による生菌検出

細菌をEMAで処理すると、生菌ではEMAが細胞内に浸透しないためDNAへの共有結合は起こらないが、死菌では細胞膜に生じた穴から内部に浸透し、EMAがDNAに共有結合します。EMAが結合したDNAはPCR反応の鋳型となることができず、PCRによって増幅されません。結果的に生菌由来DNAが選択的にPCR増幅されます。

 

リアルタイムPCR法

従来のPCR法は、サーマルサイクラーという機器で目的DNAを増幅した後、増幅産物を電気泳動で解析するという手順で行われています。リアルタイムPCR法では、サーマルサイクラーと分光蛍光光度計を一体化した機器を用いて、PCRでのDNA増幅産物の生成過程をリアルタイム(実時間)で検出し、解析を行います。DNA増幅産物の生成の過程を連続して観察できるため、より正確な定量ができます。また電気泳動を行う必要がないため、解析時間の大幅な短縮が可能となります。 これらの特徴を活かし、遺伝子発現のモニタリングや特定遺伝子の存在確認による微生物の検出、生物種の判定など幅広い分野での応用が進んでいます。