タカラバイオ株式会社は、静岡県立大学薬学部薬物動態学分野の山田 静雄 教授との共同研究で、屋久島原産のボタンボウフウが排尿機能を改善する作用を持つことを動物実験において初めて明らかにしました。この研究成果を、2012年8月29日より名古屋で開催される第19回日本排尿機能学会学術大会にて発表します。

 

当社はこれまでにボタンボウフウの機能性について研究を進め、屋久島原産のボタンボウフウに含まれる特徴的な成分であるイソサミジンが、過剰に収縮した膀胱や前立腺の平滑筋を弛緩させる作用を、動物組織を用いた研究で明らかにしています。今回、ボタンボウフウの排尿機能に対する効果をさらに詳しく調べるために、動物実験により評価しました。

 

ラットにイソサミジンを含むボタンボウフウエキスを経口投与し、その1時間後にラットに30ml/kgの水を飲ませました。続いて、水負荷(飲水)後2時間の排尿回数・量を測定しました。その結果、ボタンボウフウエキス(投与量:100mg/kg)は水負荷(飲水)によって生じる排尿回数の増加を抑制することがわかりました。また、ボタンボウフウエキスにより1回あたりの排尿量が増加することもわかりました(図1)。

 

さらに、男性の排尿機能改善のために広く利用されているノコギリヤシ果実エキスとボタンボウフウエキスとの併用時の効果について、同じモデルを用いて評価しました。その結果、ノコギリヤシ果実エキス(投与量:100mg/kg)ならびに低用量のボタンボウフウエキス(投与量:10mg/kg)はいずれも単独での排尿機能への効果は見られませんでしたが、それらを併用(同時に摂取)することにより、排尿回数の減少作用と1回あたりの排尿量の増加作用が見られました(図2)。

 

今回の結果とこれまでの研究結果から、ボタンボウフウエキスは膀胱の過剰な収縮を緩和することにより単独やノコギリヤシ果実エキスとの併用時において排尿機能を改善できることが示されました。

 

当社では、今後さらにボタンボウフウ由来イソサミジンの機能性について研究を進めてまいります。 

 

 

図1 ラットの排尿機能に対するボタンボウフウエキスの効果

図2 ラットの排尿機能に対するボタンボウフウエキスとノコギリヤシ果実エキスの併用効果

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業管理部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

ボタンボウフウ

ボタンボウフウ(牡丹防風)は、日本では本州以西から沖縄までの海岸沿いに生育するセリ科の食用植物です。ボタンボウフウには形態や性質の異なる様々な亜種が存在することが知られており、屋久島原産のボタンボウフウはコダチボタンボウフウと呼ばれます。

 

イソサミジン

屋久島原産のボタンボウフウに含まれるクマリン化合物です。

 

ノコギリヤシ果実エキス

ノコギリヤシは北米南東部原産のヤシ科の植物です。ノコギリヤシ果実エキスは脂肪酸などを多く含み、男性ホルモンの合成を抑え前立腺の肥大を緩和することで排尿障害(頻尿、排尿困難など)を改善することが明らかになっています。

 

日本排尿機能学会

昭和48年に神経因性膀胱研究会として発足し、排尿機能に関する研究の発展を促進し、会員相互の自由な意見、情報の交換、その他関連のある国内・国外学会との幅広い交流を図ることを目的として活動している学会です。