タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)と、株式会社エムズサイエンス(代表取締役:三田四郎)とは、エムズサイエンス社が開発を進めている抗がん剤(腫瘍溶解性ウイルスHF10)に関する事業を、当社が譲り受けることについて独占的に協議を行うことに合意し、9月17日付で覚書を締結しました。

 

HF10は、エムズサイエンス社が抗がん剤として開発を進めている単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株です。HF10は、がん細胞に感染すると細胞内で増殖し、がん細胞を死滅させる作用を有することが動物実験などにおいて示されており、このような抗がん作用を持つウイルスは腫瘍溶解性ウイルスと呼ばれています。
エムズサイエンス社は、現在米国において、頭頸部がんを対象としたHF10の第I相臨床試験を実施しています。また、名古屋大学医学部附属病院において、乳がん、頭頸部がんおよび膵臓がんの患者を対象としたHF10の臨床研究が既に実施されており、その安全性と有効性を示唆する結果が報告されています。

 

HF10は、ウイルスを利用した新しいタイプの抗がん剤であり、その開発・製造には当社が保有するウイルスベクターの製造・解析技術など遺伝子治療に必要な技術・ノウハウを最大限に活用することができます。
現在当社が開発を進めている体外遺伝子治療プロジェクトに、体内遺伝子治療に分類されるHF10プロジェクトを加えることにより、遺伝子医療分野の開発パイプラインの拡充を図ることができると考えています。

 

今後エムズサイエンス社との間で、事業の譲り受けの条件などについて協議を行っていきます。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

【エムズサイエンス社の概要】

会社名

株式会社エムズサイエンス

設立

2000年

代表者

三田 四郎

売上高

10百万円

住所

神戸市中央区港島南町5丁目5番2号
神戸国際ビジネスセンタービル

事業概要

医薬品の研究開発

ホームページ

http://www.m-sci.com/

【語句説明】

腫瘍溶解性ウイルス
腫瘍溶解性ウイルスとは、正常な細胞内では増殖せず、がん細胞内において特異的に増殖する制限増殖型のウイルスです。増殖によって直接的にがん細胞を破壊し、さらにその際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染することで、がん全体を縮小することが期待されます。

 

単純ヘルペスウイルス1型
単純ヘルペスウイルス1型は、唇にできる口唇ヘルペス(口内炎)や、眼の角膜にできるびらん(単純ヘルペス角膜炎)などの原因となります。感染しても、多くの場合は症状をあらわすことなく体内に潜んでいますが、ストレス・過労・病気などの要因で体力が低下すると症状をあらわします。