タカラバイオ株式会社は、中国において、PCR法を利用して迅速かつ特異的にサルモネラ菌、リステリア菌、腸炎ビブリオ菌をそれぞれ個別に検出する検査用キット3種類を10月30日に発売します。

 

当社はすでに国内で、腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌やノロウイルス等の食中毒菌を迅速・簡便に検出できる研究用試薬を検査機関や食品メーカー向けに販売しています。今回発売する新製品は、日本で販売中の既存製品の開発ノウハウを活用し、中国で定められた中国行業標準に収載された食中毒菌検出のための塩基配列をプライマーに採用し、新たに製品化したものです。

 

今回発売する新製品に先駆け、本年9月には中国行業標準に準拠したノロウイルス検出試薬を既に発売しており、今年中に韓国においても韓国公定法に準拠したノロウイルス検出試薬を、またインドにおいても新興・再興感染症を引き起こすウイルスの検出試薬を今後発売する予定です。

 

当社は、PCR・リアルタイムPCR法の応用分野(アプライドフィールド)として、食品分析、環境分析、分子診断等向けの新製品開発に注力しています。海外展開についても積極的に取り組んでまいります。海外におけるアプライドフィールド関連製品の販売により、発売から3年後には年間1億円の売上を目指します。



 

【製品概要】

 

製品名 TaKaRa qPCR Salmonella Detection Kit China Standard
製品コード RR264
容量 40回
製品名 TaKaRa PCR Listellia monocytogenes Detection Kit (multi-PCR) China Standard
製品コード RR267
容量 40回
製品名 TakaRa qPCR Vibrio Parahemolyticus Detection Kit China Standard
製品コード RR270
容量 40回

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

サルモネラ菌

サルモネラ菌はグラム陰性の桿菌で、自然界に広く分布しています。最も重要な食中毒の原因菌のひとつであり、食肉や鶏卵などの畜産物が主な原因食品といわれています。近年サルモネラ菌で汚染した鶏卵による食中毒が全国的に発生しており問題となっています。

 

リステリア菌

リステリア菌はグラム陽性の桿菌で、8菌種のListeria属の中でリステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)がヒトリステリア症の病原菌と報告されており、発熱、頭痛をともなった髄膜炎や敗血症、心内膜炎、肺炎などの多発性膿瘍を引き起こします。

 

腸炎ビブリオ菌

腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)は、ビブリオ属に属する好塩性のグラム陰性桿菌の一種で、主に海水中に生息する細菌であり、腸炎ビブリオで汚染された魚介類を生食することのよりヒトに感染して腸炎ビブリオ食中毒を発症させます。

 

腸管出血性大腸菌(EHEC)

血便と激しい腹痛を伴う出血性大腸炎、さらには溶血性尿毒症症候群を引き起こす病原性大腸菌です。これらの重篤な症状の原因は、EHECが産生する細胞毒素であるベロ毒素です。代表的なものにO-157があります。

 

ノロウイルス

感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種で、感染した人の糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を吸い込み感染します。また、カキなどの貝類にも含まれており、それら食品を介しても感染します。感染すると、1~2日の潜伏期間後に、主に嘔吐、下痢、腹痛、発熱(37~38℃)を引き起こします。ノロウイルスにはGenogroup I ( GI )とGenogroup II ( GII )があり、現在14種類と17種類の遺伝子型(Genotype)に分類されています。

 

行業標準

行業標準とは国家の各主管部門(例えば、国家質量監督検験検疫総局、衛生部、農業部など)より承認・公布され、該当業界範囲(例えば、出入境検験検疫業界、衛生業界、農業業界など)で、統一使用されている標準です。例えば、サルモネラ試薬に関する行業標準には、プライマー配列、プローブ配列及び反応後の検出の判断の有無が記述されています。

 

新興・再興感染症ウイルス

WHOは、「かつて知られていなかった、新しく認識された感染症で、局地的あるいは国際的に、公衆衛生上問題となる感染症を新興感染症」として定義しています。また、再興感染症の定義は「既知の感染症で、すでに公衆衛生上問題とならない程度にまで患者数が減少していた感染症のうち、再び流行し始め、患者数が増加した感染症」であるというものです。
インドや東南アジアでは、特に再興感染症のひとつであるデング熱と、チクングニア熱が問題視されています。デングウイルスやチクングニアウイルスは蚊を媒介として人に感染し、インドや東南アジアでは警戒されているウイルスです。これらのウイルスは感染後3-7日に発症するため、早期のウイルス検出が重要です。デング熱は発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛を伴う一過性の熱性疾患ですが、まれに生命に関わるデング出血熱に発展し出血性ショックを引き起こすこともあります。チクングニア熱は、デング熱と同様の症状がありますが、通常は非致死性の疾患です。そのためデング熱とチクングニア熱は鑑別が重要と言われています。