タカラバイオ株式会社(社長:仲尾功一)の子会社であるクロンテック社(カリフォルニア州マウンテン・ビュー市)は、迅速かつ簡便に遺伝子発現の制御を行うことができる研究用試薬「Tet-Express Inducible Expression System」(以下、Tet-Express)を開発しました。当社グループは、本製品を2月18日に全世界で発売します。

 

クロンテック社は、遺伝子が細胞内で発現するタイミングやその発現量を厳密に制御することができる研究用試薬として、1996年よりTetシリーズ製品を販売しています。Tetシリーズ製品は、がん遺伝子の機能解析など、動物細胞を用いた遺伝子の機能解析研究における有用な実験手法として広まっており、現在は同社のコア製品群の1つとなっています。

 

Tetシリーズ製品では、転写活性化因子というタンパク質によって細胞内における遺伝子発現の制御が行われていますが、今回発売する新製品Tet-Expressには、クロンテック社独自の構造改変によって細胞透過性を付与した転写活性化因子が採用されています。
この新しい転写活性化因子は、タンパク質として直接細胞に導入することが可能であり、従来製品で行われていた遺伝子導入法による転写活性化因子の細胞への導入プロセスが不要となりました。これにより、Tet-Expressでは、実験に必要となる期間が従来品よりも大幅に短縮されています。



また、従来の製品では、転写活性化因子が導入された細胞にさらにドキシサイクリンという物質を加えることで、目的遺伝子の発現誘導を行っていましたが、Tet-Expressでは転写活性化因子の添加のみで発現誘導を引き起こすことができるため、よりシンプルに遺伝子制御実験を行うことができます。
当社グループは全世界において、新製品およびTetシリーズ関連製品にて、発売より1年間で4億円の売上を目指します。

 

当社グループは、引き続き細胞生物学(アドバンスドセルバイオロジー)分野の新製品開発を行っていきます。

 

【製品概要】

 

製品名 Tet-Express Inducible Expression System
製品コード 631169
価格 180,600円(税込)

 

製品・サービスの詳細やご購入については、当社営業部営業企画担当(TEL:077-543-7231)にお問い合わせください。

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 広報・IR部
Tel 077-565-6970

<参考資料>

 

【語句説明】

 

転写活性化因子
転写活性化因子は、プロモーターと呼ばれる遺伝子発現を制御するDNA領域に結合し、遺伝子の発現を活性化するタンパク質です。Tetシリーズ製品には、ドキシサイクリンという物質の存在下において遺伝子発現を誘導する転写活性化因子を用いたTet-Onシステム、ドキシサイクリンの非存在下において遺伝子発現を誘導する転写活性化因子を用いたTet-Offシステムの2種類があります。

Tet-Expressには、構造を改変することで細胞透過性を持たせたTet-Offシステムの転写活性化因子が採用されています。この転写活性化因子は細胞膜を通過して、核内にある遺伝子のプロモーター領域に結合することができ、細胞に加えることで直接目的遺伝子の発現誘導を引き起こすことができます。また、この転写活性化因子はTet-Offシステムを基に作製されているため、ドキシサイクリン添加による遺伝子発現の抑制が可能となっています。

ドキシサイクリン
テトラサイクリン系抗生物質と総称される、一群の抗生物質です。従来のTetシリーズ製品において、目的遺伝子の発現誘導物質として利用されています。