タカラバイオ株式会社は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を、検体からウイルスRNAを精製する前処理工程を必要とせず、反応時間が1時間未満で、迅速、簡便に検出可能なPCRキット(製品名: SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit、以下、本キット)を、本年51日より販売開始します。

 

 新型コロナウイルスのPCR検査では、鼻咽頭ぬぐい液などの検体から、市販のRNA精製キットを用いた、ウイルスRNAの精製を行う工程(約1時間)が必要です。本キットでは、独自技術により簡便な前処理操作のみで、この工程を省略することが出来ます。さらに、当社の高速PCR技術の採用により、PCR反応時間が大幅に短かくなり、トータルの検査時間が従来の方法に比べ半分以下の約1時間に短縮できます。(図)

 

 また、本キットは、PCR検査に必要な調製済みの全ての試薬(簡易抽出試薬、PCR酵素液、プライマー/プローブ、陽性コントロールなど)が含まれており、煩雑な準備作業が不要です。 前処理方法も、簡易抽出試薬を反応チューブに添加し、加熱するだけという非常に簡便な方法を採用しており、ウイルスも不活化されるため、検査現場の負担も軽減され、安定した結果を得ることが期待できます。 当社のqPCR装置(Thermal Cycler Dice® Real Time Systemシリーズ)のみならず、各社のqPCR装置への適合性を確認しています。

 

 さらに、本キットは、当社が開発した検体由来成分による反応阻害を受けにくいPCR酵素を採用しているため、従来法と同じ感度と精度が得られます。本キットを用いた試験では、 ‘1反応あたり50ウイルスゲノムコピー以下’の検出感度が確認されています。

 本キットは研究用ですが、国立感染症研究所により検査データの精度確認がなされ、ホームページで、「迅速な検査方法(逆転写及び遺伝子増幅が1時間未満のもの)」として公開されています(注)ので、本キットは、行政検査に使用できるだけでなく、公的医療保険の適用対象ともなります。今後、医薬品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品として承認取得を目指す計画です。なお、本キットの製品化にあたっては、群馬パース大学大学院 木村博一 教授(前 国立感染症研究所 感染症疫学センター 第六室長)に監修いただきました。

 

 当社では、世界的な SARS-CoV-2のPCR検査需要に応えるべく、月産20,000 キット(200万 反応分)の製造体制を整えています。 今後とも、当社技術の実用化を通じて、SARS-CoV-2感染症対策に貢献してまいります。

 

(注)「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV 遺伝子検査方法について」

 (厚生労働省健康局結核感染症課 国立感染症研究所 2020年4月30日版) 

https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200430.pdf

(図) 本キットの操作概要

 

【製品概要・写真】

製品名

製品コード

容量

希望小売価格(税別)

SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit

RC300A

100

120,000

【製品のお問い合せ先】

テクニカルサポートラインまでお問い合わせください。

オンライン:  https://www.takara-bio.co.jp/support/tsl/index.php

電話          077-565-6999(平日9時-17時)

 

この件に関するお問い合わせ先 : タカラバイオ株式会社 事業管理部
Tel 077-565-6970