ライフサイエンス研究支援や遺伝子治療などの先端医療の社会実装化に向けた取り組みを通じて、人々が健康的な生活を楽しめることができる社会づくりに取り組んでいます。

世界のライフサイエンス研究と発展への支援

タカラバイオグループではライフサイエンス分野の基盤研究から産業応用まで、多様な製品とサービスを提供しています。これらを世界中の大学・企業に安定的に提供することを通じて、ライフサイエンス研究の発展を支援しています。

 

 

PCR試薬をはじめ、研究室の外でも使っていただける製品開発を進めています

専務取締役 宮村 毅

 

 当社では、ライフサイエンス研究向けに遺伝子や細胞を解析する研究用試薬を開発し、世界中の研究者に提供しています。これらの中には、研究分野以外の産業分野などで有用な技術が多くあります。PCR技術はその一つで、感染症や食品や環境衛生などの多様な分野で有益な技術です。これまでは、ラボ(研究室)で、専門の技術を持つ技術者や研究者が装置や試薬を扱うことを想定した開発をしていましたが、現在は、ラボの外である、医療や検査の現場などでの利用を想定し、より迅速で簡便な、使用現場のニーズに沿った製品の開発を進めています。

遺伝子解析技術の検査や診断分野への応用

研究用試薬事業で培った遺伝子工学技術をベースに、感染症の原因となるウイルスの検査製品に加え、世界各地の特性や需要に合わせた“グローカル”な製品開発に注力しています。

 

 

遺伝子治療実現への取り組み

長年にわたって培ったバイオ技術を活かし、希少がんなどに対する遺伝子治療の臨床開発を進めています。

また、未充足の医療ニーズの解決に向けて、遺伝子治療などの再生医療等製品のCDMO事業により、遺伝子治療の社会実装化に取り組んでいます。

 

 

遺伝子・細胞治療の様々なモダリティの製造から品質試験までワンストップで対応します

取締役副社長 峰野 純一

 

 CDMOの拠点である遺伝子・細胞プロセッシングセンターは、製薬企業の遺伝子・細胞治療の開発・製造を受託する施設として2014年に1号棟が稼働しました。その後、増加する需要に合わせ2020年に2号棟が部分的に稼働しました。この2号棟にウイルスベクター製造用の3,000リットル級の大型バイオリアクターや、独自仕様の細胞製剤用アイソレーターを備える細胞加工室を増設し、2023年度に、フル実装化が完了します。また、増設する設備に合わせ専門人材のトレーニングなどの準備も順調に進んでいます。タカラバイオでは、様々なモダリティの製造から品質試験までワンストップで実施できる体制をハード・ソフトの両面で構築していきます。

タカラバイオグループ サステナビリティ・プラン2025

テーマ:世界のライフサイエンス研究と発展への支援

施策 2025年度達成目標 説明
ライフサイエンス研究・産業の発展を幅広く支援 グローバルで多極的な製造施設(日・米・欧・中)の整備を進め、安定的な製品供給により、ライフサイエンス研究の発展を支援する 中国の基幹工場から日・米・欧・印への各拠点に製造移管を進める
ライフサイエンスコミュニティへの貢献 ① セミナー、ワークショップ開催を通じ、バイオテクノロジーの基礎から最新技術の普及を図る ・バイオ研究者向けウェビナーを年間約250回開催
・学会等で当社主催セミナーを開催(年間数回)
② オープンイノベーションを通じ、アカデミアシーズの事業化を推進する アカデミアシーズの事業化として、JAK・STAT技術の臨床試験開始(TBI-2001)などを推進
③ バイオテクノロジーの社会的理解の促進に努める ・大学や団体のセミナーへの参加(年数回)
・大学生向けの広報ワークショップ開催(年1~2回)

テーマ:遺伝子解析技術の検査や診断への応用

施策

2025年度達成目標

説明

ウイルス等の検査・診断キットの提供

世界的に流行する感染症のウイルス検査製品に加え、世界各地の特性や需要に合わせた“グローカル”な製品開発により対象範囲を拡大する

検査対象となるウイルス・細菌種の範囲をグローカルニーズに合わせ拡大

テーマ:遺伝子治療発展への取り組み

施策 2025年度達成目標 説明
アンメットメディカルニーズを満たす遺伝子治療関連技術開発の推進 ① TBI-1301の製造販売承認申請の準備を進め、社会実装化する TBI-1301の製造販売承認準備の推進
② 再生・細胞医療・遺伝子治療製品の開発・製造を支援するCDMO事業を推進する 多様なモダリティや大量製造に対応したサービス提供
③ 新モダリティに対応した部素材を提供する mRNA製造用酵素の開発・発売